これもさくさく読めた。
『首折り男のための協奏曲』伊坂幸太郎
首折り男は首を折り、黒澤は物を盗み、小説家は物語を紡ぎ、あなたはこの本を貪り読む。胸元えぐる豪速球から消える魔球まで、出し惜しみなく投じられた「ネタ」の数々! 「首折り男」に驚嘆し、「恋」に惑って「怪談」に震え「合コン」では泣き笑い。黒澤を「悪意」が襲い、「クワガタ」は覗き見され、父は子のため「復讐者」になる。技巧と趣向が奇跡的に融合した七つの物語を収める、贅沢すぎる連作集。(amazonより)
作者がバラバラに作った作品を修正して一つの流れを作ったと言っているだけに、それぞれのギミックというか仕掛けがめっちゃ面白い。特に逆再生の話と水兵リーベの話。時空の歪み的な話もワクワク半端ない。
強い繋がりやテーマがない分、ストーリーがどこで誰で起伏を迎えて収束するのか、なかなか予想がつかないので、どんどんページめくるスピードが加速する。
「首折り男」の善悪についての追求がないのも良い。
ただこの人が書く登場人物って、その話自体では個性強いんだけど、どの話でも同じような思考というか屁理屈言う人がいてダブる。面白いからいいんだけど。
今年になって読まず嫌いだった伊坂幸太郎読み始めたけど、かなり好きだ。