『静おばあちゃんにおまかせ』中山七里

最後の事件で評価変わった。

 

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『静おばあちゃんにおまかせ』中山七里

元裁判官の祖母と孫娘が難事件を次々解決!
警視庁の新米刑事・葛城は女子大生・円に難事件解決のヒントをもらう。円のブレーンは元裁判官の静おばあちゃん。イッキ読み必至。(amazonより)

 

正直途中までは事件の内容についてはイマイチだった。他の作者の作品に比べて、「鉄壁」とかそういう強い表現の根拠が弱い気がしたし、動機もあんまりスッキリするものでもなかった。だけど円と静の茶の間での会話に、司法に限らない様々なことの真理めいたハッとする言葉があり印象深かった。

 

こんな感じで終わるのかーと思ってたら、最後の事件で評価上昇した。動機もアリバイ作りも良いし、事件のやるせなさと言うか割り切れなさが、国や時代、状況が変われば正義も変わるってのとリンクしてて良かった。

 

ただし最後のオチが嫌いではないけど「あえてその設定する?」って感じでした。嫌いではないけど。よく読み返せば多分そういう表現になってるんだろうな。

 

葛城の輪郭というかキャラが他の作品の主人公級に比べてはっきりしないなとも思ったけど、そこではない愚直な人間性がこの人物の良さなのかなとも。

 

 

静おばあちゃんにおまかせ

静おばあちゃんにおまかせ