『ユリゴコロ』

奥田民生になりたいボーイと出会う男すべて狂わせるガール』と迷ってこっち観た。

 

 

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ユリゴコロ

沼田まほかるの同名ミステリー小説を、「僕等がいた」の吉高由里子主演で実写映画化。「君に届け」「近キョリ恋愛」の熊澤尚人監督がメガホンをとり、「人間の死」を心の拠り所にして生きる悲しき殺人者の宿命と葛藤を、過去と現在を交錯させながら描く。亮介は余命わずかな父の書斎で1冊のノートを見つける。「ユリゴコロ」と書かれたそのノートには、ある殺人者の記憶が綴られていた。その内容が事実か創作か、そして自分の家族とどんな関係があるのか、亮介は様々な疑念を抱きながらも強烈にそのノートに惹きつけられていく。謎に包まれた殺人者・美紗子役を吉高、彼女と運命的な出会いをする洋介役を松山ケンイチ、ノートを発見しその秘密に迫る亮介役を松坂桃李がそれぞれ演じる。(映画.comより)

 

冒頭から、「あっ、これ観続けるのキツイかも…」と思わされた。

グロいではないし、エグいともなんか違って、うすら怖いというか、ホラー映画見てる感覚に近かったのかも。ミルク飲み人形を逆流させるシーンとか、幼児が白目剥くシーンとか…幼い狂気は怖すぎる。

 

評判通り、前半部分は主人公の人生というか性癖と言うか業的なものが強烈で(特にリストカットの音が完璧すぎる)、後半に向けてラブストーリーになるのかな?と思ってたら、断続的に起伏や不安にさせるシーンがあって、観てて全く飽きさせない。個人的にはこんな観心地珍しかった。

 

しかも、出演者全員演技が上手い。気が触れた松坂桃李最高。最近の個人的法則である、松坂桃李岡田将生が出演している映画は割と面白いということがさらに強く証明された。あとリスカ友人、エンドロールで名前ないことに気付くまでは、前田敦子だと勘違いしてた。演技上手くなったなあと思っちゃった。

 

いよいよラストの盛り上がり部分は、単純な頭のせいで全く予想できていなかったので普通に驚いた。

子供のために躊躇なく殺人を犯す主人公も、最後の最後まで葛藤する子供も、すごく良かった。罪を償う、とかじゃなくて最後は主人公の「ユリゴコロ」が子供になったのかなーと。

 

個人的にはドンデン返しとかないのに、最後までダレないオススメの作品です。

 

 


映画『ユリゴコロ』予告編