仕事と欅坂を理由に読書スピード落ちてた。
『イノセント・デイズ』早見和真
田中幸乃、30歳。元恋人の家に放火して妻と1歳の双子を殺めた罪で、彼女は死刑を宣告された。凶行の背景に何があったのか。産科医、義姉、中学時代の親友、元恋人の友人、刑務官ら彼女の人生に関わった人々の追想から浮かび上がる世論の虚妄、そしてあまりにも哀しい真実。幼なじみの弁護士たちが再審を求めて奔走するが、彼女は…筆舌に尽くせぬ孤独を描き抜いた慟哭の長篇ミステリー。日本推理作家協会賞受賞。(Amazonより)
本屋で平積み展開されてて作者知らなかったけど購入。
読み始め20ページで「あっ、これ絶対面白いやつだ」と確信。
読み応えめちゃくちゃあって、どんどん文章が頭に入ってくる感じ。
構成も好きで、判決文をひとつひとつ反論というか覆すようなエピソードが並んでる。前半だけでも十分面白くてそれで完結しててもあんまり文句ない。
基本的に主人公主観にならないんだけど、各登場人物に関しても、主観と他の登場人物からの客観にズレがあるところが、物語の主題にも近いような感じで印象的だった。
こういう話だと、最後に改心したり、何かを悟ったりする系が多いイメージだけど、最後まで主人公が自分を貫き通すのが魅力的だし悲しい。一回読んだだけだと、細部まで感情を理解しきれない物足りなさというか満足しきれない読後感も後を引いて良い。
唯一の理解者が真実に辿り着いた日付を見て、冒頭読み返した時の絶望感。
久しぶりに初めて読む作者でのめり込んだ。オススメです。