『バイバイ、ブラックバード』伊坂幸太郎
信頼できる安定感。
星野一彦の最後の願いは何者かに“あのバス”で連れていかれる前に、五人の恋人たちに別れを告げること。そんな彼の見張り役は「常識」「愛想」「悩み」「色気」「上品」―これらの単語を黒く塗り潰したマイ辞書を持つ粗暴な大女、繭美。なんとも不思議な数週間を描く、おかしみに彩られた「グッド・バイ」ストーリー。特別収録:伊坂幸太郎ロングインタビュー。
設定というか「あのバス」が『終末のフール』の終末感となんか似てる気がする。漠然としてるというか比喩じゃないんだけど現実味がないというか。
それぞれのストーリーの女性との出会い方が秀逸なんだけど、特に「女優女」の話のラストはもはや感動した。「パンになりたい!」ってなんかよくわかんないんだけどなんかわかる。
オーラスの「キック」のリピートがすごく好き。篇を重ねるごとに「繭美」に人間味が感じれるじゃないけど、徐々に理解できるかもしれない生物感を感じれるのも良い。
いくら間を空けてもすんなり読めるのでオススメです。