『駅までの道をおしえて』伊集院静

伊坂幸太郎がエッセイでオススメしていたので。

 

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『駅までの道をおしえて』伊集院静

「ルーは死んでなんかいない」愛犬の死を信じられずに探し回る少女が見つけた、時間から取り残されたような古い喫茶店。店の老人がくれた写真には野球のユニフォーム姿の少年が写っていた。大切な相手を失い、悲しみにくれる人々に訪れた奇跡を描いた表題作をはじめ、かけがえのない時間に出逢える作品集。(Amazonより)

 

初・伊集院静

 

基本的にわかりやすい物語が好きなんだけど、この作品の皆まで言わない、終着点まで書かない感じが好き。その分儚さとか哀愁みたいなものがより強く感じれる。短編集の長所である、あとを引く物足りなさが十分に発揮されていると思う。

 

登場人物がリンクしているとか、平行世界とかそういう感じじゃなくて、篇ごとにエピソードに出ていた土地や職業がさりげなく繋がっている感じが、いい意味でドヤ感がなくて好感が持てる。

 

最初はとっつきにくそうかなとも思ったけど、早く篇を読み終えたくなる、でも物足りなさや寂しさも残る作品でした。わかりやすい伏線回収やどんでん返しばかりじゃなくてこういうのも良いな。

最後の「チョウさんのカーネーション」は感動。

 

 

駅までの道をおしえて (講談社文庫)

駅までの道をおしえて (講談社文庫)