今更有名作を。
『食堂かたつむり』小川糸
同棲していた恋人にすべてを持ち去られ、恋と同時にあまりに多くのものを失った衝撃から、倫子はさらに声をも失う。山あいのふるさとに戻った倫子は、小さな食堂を始める。それは、一日一組のお客様だけをもてなす、決まったメニューのない食堂だった。(Amazonより)
冒頭は「いつヘルシンキ行くんだろ?」て勘違いしながら読んでた。
『ツバキ文具店』シリーズと同様に、所作の描写がめちゃくちゃ綺麗。動物を〆るような生々しい部分でさえも流れるような文章で美しい。おかげで読みながら腹減る。
この作者のストーリーは大きな起伏はないんだけど、進むにつれてどんどん充実感が増していく。ラストで「食べること・料理をすること」=「生きること」って意味の尊さがめちゃくちゃ感じられる。
今の所ハズレがないのでどんどん読み漁る。実写版も観てみよう。