『崩れる脳を抱きしめて』知念実希人

新年一冊目。

 

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『崩れる脳を抱きしめて』知念実希人

圧巻のラスト20ページ! 
驚愕し、感動する!!! 
広島から神奈川の病院に実習に来た研修医の
碓氷は、脳腫瘍を患う女性・ユカリと出会う。
外の世界に怯えるユカリと、過去に苛まれる
碓氷。心に傷をもつふたりは次第に心を
通わせていく。実習を終え広島に帰った
碓氷に、ユカリの死の知らせが届く――。

彼女はなぜ死んだのか? 幻だったのか?

ユカリの足跡を追い、碓氷は横浜山手を
彷徨う。そして、明かされる衝撃の真実!? 
どんでん返しの伝道師が描く、
究極の恋愛×ミステリー!!
2度読み必至!

Amazonより)

 

知念実希人ベスト更新した。そして年間ベスト確実。

作者がこの物語を書いてくれたことに感謝するレベルでぶっちぎりで面白い。

自分が今までミステリーを読んできたことで多少身についた予測能力なんて、全く追いつかないレベルでストーリーが展開・収束され、読み飛ばすか引っかからないか自分が忘れたんだっけっていうような、些細な描写でさえ、終盤で大きな意味を持っってくる爽快さといったら。それぞれの描写の意図が一層深いところにある。

主題以外にも、主人公の家族とか、サブ的要素も読み応えがあって全くダレない。途中は思わず道尾秀介の『シャドウ』みたいな話かなって、錯覚させられた。他にもたくさん、何回も痛快に騙される。

あと知念実希人ファンなら、ニヤッとするような登場人物が最後に出てきてテンション上がる。

プロローグの内容が完全に忘れ、オーラスを迎えて、そうだこんな話だったってやっと思い出すくらいに内容が濃い。プロローグの印象が読むの二回目だと全く違うと思う。

個人的に、生きる意味の正解なんて分からなくても自分で決めればいいってところが、希望はいつでも自分で作るもんなんだなって、心に残った。

この物語に限ったことではないけど、最近色んな小説読んでいると、主人公の年代が近くて、感情移入しやすくなってきている。

 

本当にみんなに声を張り上げてオススメしたい作品。

タイトルもグッとくる。

 

 

崩れる脳を抱きしめて

崩れる脳を抱きしめて