ぱっと見、酪農の話かと思った。
『東京カウガール』小路幸也
その夜、カメラマン志望の大学生・木下英志は夜景を撮っていた。人気のない公園で鈍い音を聞きつけカメラを向けると、そこには一人の女性がいた。彼女は屈強な男たちを叩きのめすと、車椅子の老人を伴い車へと消えた…。後日、改めて画像を見た英志は気づく。―似ている。横顔が、あの子に。カメラが捉えた不可解な事件に隠された哀しい過去とは?(Amazonより)
作者にしては、だいぶ血生臭い感じで骨の軋む音が聞こえてそうな描写もあって意外だった。
ただやっぱり小路幸也らしく、どこか達観しているような主人公の考え方は読んでて感心するし、話は重いのに軽く読める文体はさすがでした。
エピソードが限られても、場面は変わらず地続きになってる進行の仕方はこの人ならではで、よりスピード加速させる。数字で区切ってるところと☆マークで区切ってるところがあるのはなんかの意図があるんだろうな。
残りページ数を気にしながら面白いけど、どうやって収束させるんだろうって期待膨らませといて、大きな展開やどんでん返しなくすっきり爽やかに終わるラストもなんか微笑ましくて好き。
ホント誰かのために何かしたいっていう、思いやりがある人たちしか出てこなくて、こんな人たちに囲まれて暮らせたら幸せだろうなーって思う。主人公の就職した会社が興味深い。
初めてスマホでブログ書いたけどめっちゃ楽だし意外にも文章出てくる。