『ブックストア・ウォーズ(書店ガール)』蒼野圭

『書店ガール』の原題だと読み終わってから気づいた。

 

f:id:sunmontoc:20180204145706j:plain

 

『ブックストア・ウォーズ』蒼野圭

27歳の亜紀は、大手出版社の編集者と結婚して幸せいっぱい、仕事も楽しくてたまらない。文芸書はもちろん、コミック、ライトノベルボーイズラブにも気を配り、売り場改革案や人気漫画家のサイン会など、ユニークな企画を次々打ち出している。ところが、40歳の独身副店長・理子とは、ことごとく衝突続きの日々。その理子が店長に昇進した直後、6ヵ月後に店が閉鎖されると知った二人は…。恋愛、失恋、結婚、離婚、たまには嫉妬や喧嘩だってある。ワーキングガールズの世界は、幸せ色のピンクや涙色のブルーで彩られたビックリ箱。この本は、働く女性たちへのリアルな応援歌。

 

かなり軽い話なのかと思ったら、なかなか。

企業の理不尽さも表されていて、思わず最後は鳥肌が立った。

主人公2人が、冒頭ではどのように絡み合っていくかがあまり掴みきれず、片方が良くて、片方がそれに歯向かうというか、反発するような形式ではなく、どちらにも欠点や長所があり、主観の比率が割と等分なまま進んでいって、不思議な読み心地だった。

中盤以降の書店の巻き返しでは、出来過ぎな部分もあるけど、素直に本屋って良いな、働いてみたいなと思わせてくれる。

あと、男っていうのは、女性への想像力が絶対的に足りない生き物なんだなと思わせるところもあった。笑いのネタとの分別というか、ネタにしなければ処理(自己防衛)できないほどの辛さみたいなものを想像してあげれていないんだなと痛感した。

ネット注文や電子書籍の良さはもちろんわかっているし、恩恵も受けているけど、やっぱり「本」が実在する本屋って良い場所だなと改めて感じさせてくれる。

亜紀の自分の善悪の価値観を貫いて、他人の悪ノリに流されない態度に憧れるというか眩しく感じた。

 

シリーズもっと読みます。

 

 

ブックストア・ウォーズ

ブックストア・ウォーズ

 

 

 

書店ガール (PHP文芸文庫)

書店ガール (PHP文芸文庫)