『ソロモンの犬』道尾秀介

道尾秀介、読まず嫌いしてたの後悔。

 

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『ソロモンの犬』道尾秀介

秋内、京也、ひろ子、智佳たち大学生4人の平凡な夏は、まだ幼い友・陽介の死で破られた。飼い犬に引きずられての事故。だが、現場での友人の不可解な言動に疑問を感じた秋内は動物生態学に詳しい間宮助教授に相談に行く。そして予想不可能の結末が…。青春の滑稽さ、悲しみを鮮やかに切り取った、俊英の傑作ミステリー。

 

感想をまとめにくい物語だった。

冒頭ではなかなか感情移入し辛い登場人物たちなんだけど、パッとしなかった間宮があそこまで真理に近づく重要な役割を担うとは思わなかった。

どこか全員が噛み合わずちぐはぐな様子で進み、2つの時間軸の設定がどう展開・収束されていくのかわからなかった。だけど途中から各々絡み合っていき、徐々に全員に疑いの目を向けてしまい、物語に没頭させてくれた。

終盤は全く予想できなかった展開で、真犯人発覚後のドンデン返しではめっちゃテンション上がった。

宗教観や神話と、動物の生態についてが見事に混ざっていて、動物の忠実・純粋な行動ゆえに、悲劇が起こしてしまったというのが心に残った。

読後感は爽快だし、青春小説としてかなりオススメ。

なんでこの人読んでなかったんだろう。

 

 

 

ソロモンの犬 (文春文庫)

ソロモンの犬 (文春文庫)