『府中三億円事件を計画・実行したのは私です。』白田
一気読み。
『府中三億円事件を計画・実行したのは私です。』白田
この場を借りて、ひとつの告白をさせていただきます。
――府中三億円事件を計画、実行したのは私です。
今なお語り継がれる未解決事件、完全犯罪として成立している事件の全貌を、みなさんにお話しいたします。
1968年12月10日に東京都府中市で起きた『三億円事件』。
「その犯人は、私です。」
今年8月、突如インターネットサイトに投稿された小説によって、日本中が話題騒然となった。
あの日、何があったのか――。
昭和を代表する迷宮入り事件。
奇しくもちょうど50年目を迎える節目の今年、「小説家になろう」に投稿され、ネット騒然!
ランキング1位! 800万PV突破の話題作、緊急発売!!(Amazonより)
ブクログで話題になってて購入。
風呂入りながら読み始めたら一気に読めた。
もちろん色々突っ込みどころはあるんだろうし、作者の恋愛対象からどう思われたいかみたいな願望も投影されてるのかなって感じる部分もあるけど、エンタメというより青春小説として面白かった。
熱量が時代や環境と相まって一種の狂いを生むんだなということを感じられた。
今風には中二病・大二病って呼ばれるのかもしれないけど、熱量や野心だけで間違いかもしれないけど突っ走れることができるっていいなと。
あと作者の言い回しが飲み込みやすいしさらっと残るセリフが多いのも印象的だった。「思想にこそ共感は持ちませんでしたが、熱量には感化されていました」とか。
ある時代の無謀な若者の熱を純粋に楽しめます。