『罪の余白』芦沢央

今更原点。

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『罪の余白』芦沢央

高校のベランダから転落した加奈の死を、父親の安藤は受け止められずにいた。娘はなぜ死んだのか。自分を責める日々を送る安藤の前に現れた、加奈のクラスメートの協力で、娘の悩みを知った安藤は。(Amazonより)

 

作者の近年の作品しか読んでなかったから初期の作品も手出しとこうと。

今のよりも、オチのうまさとか洗練さとかが足りない感じはしたけど、その分初期衝動というか荒いけど熱量が高くて、心理描写の濃さは流石だった。その分、早苗についてももっと掘り下げたエピソードも読んでみたかった。

大筋なんとなく予想はつくんだけど、仇との決着の仕方は想定外だったし、行動の動機・躊躇の根拠として心理学的な描写があるのが読んでて面白かった。

あと本筋には関係ないけど、元愛好家としてはアメスピの火の着けにくさの描写とかめっちゃリアルだった。

早苗が最後主人公宅に向かう理由も感情の高まりや奇跡とかではなく、彼女の特性によるものってところが一貫していて良かったし、そこからのラストの状況が生まれるってのも秀逸だった。

 

 

罪の余白 (角川文庫)

罪の余白 (角川文庫)

 

 

 

罪の余白

罪の余白

 

 実写化してたのか。