『今はちょっと、ついてないだけ。』伊吹有喜

早くも今年ベストに入りそう。

 

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『今はちょっと、ついてないだけ』伊吹有喜

人生に、敗者復活戦はあるのだろうか。
かつて自然写真家として人気を博し、ある時、全てを失った男。
失意の中、彼が一枚の写真を撮影したことで、蘇る想い。
「見たことがない景色を見たい」
一度は人生に敗れた男女が再び歩み出す姿が胸を打つ、感動の物語。(Amazonより)

 

最近目にした意見で、”本には読むタイミングがある”ってのがあって、まさにそれ。この本は今の自分がちょうど読むべき本だった。

希望だけではない、100%の晴れやかな気持ちになるわけではないけど、弱くてもかすかでも少しの光明と一緒に歩く仲間がいれば、とりあえず幸せなんだなって思わせてくれる。

再チャレンジやシェアハウスなど自分の実体験と被る部分もあり、共感と憧れの気持ちが出たし、これからの30〜40代に対して不安もあるけどもっと楽しくなると期待させてくれる。

特に最終章のこの文が心に残る。

「どこへ行くのだろう。行き先はわからないけれど、今、ここにいる。そして願えばきっと、どこにでも行ける。」

あと本全体を通してリフレインされるタイトルに込められた力がものすごい。

 

この本を読んで実感したけど、年取れば取るだけ嫌でも失敗・成功どちらも経験が増えるから、物語を読んだ時の染み込み方がどんどん良くなってきてる気がして、そこも死ぬまで楽しみたい。

 

 

今はちょっと、ついてないだけ (光文社文庫)

今はちょっと、ついてないだけ (光文社文庫)