『R帝国』中村文則

ちゃんと一気読みしたかった。

 

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『R帝国』中村文則

舞台は近未来の島国・R帝国。ある日、矢崎はR帝国が隣国と戦争を始めたことを知る。
だが、何かがおかしい。
国家を支配する絶対的な存在″党″と、謎の組織「L」。
やがて世界は、思わぬ方向へと暴走していく――。
世界の真実を炙り出す驚愕の物語。

『教団X』の衝撃、再び! 全体主義の恐怖を描いた傑作。(Amazonより)

 

以前短編集を読んだ時に没頭しにくくてかなり苦手意識持ってたけど、職場の先輩に薦められて読んでみたらめっちゃ読みやすいし面白かった…。

年を経たせいか、世の中が変わったせいか、もっと若い時には一種のSF・フィクションとして読めたんだと思うけど、もはやそうは思えないリアリティさを物語からも世相からも感じ取れる。

第二次世界大戦中のようなわかりやすい支配や独裁ではなく、目に見えない、感じ取れない支配がもう既に始まってるかもしれない。というか目に見える形でももちろん起きてるんだけど。

あと物語の構成として、ここまで希望を極限まで絞ってるけど読んでてどんどん面白さが増していくってのも不思議な感じだった。

あとがきに書いてあった、この物語の行く末が希望になるかはこの現代にかかっているって投機が心にずっしり残る。

 

R=Resistance=抵抗➡︎R抵抗➡︎R帝国ってことなんですか?

 

 

R帝国

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