『螺旋の手術室』知念実希人

乃木坂と欅坂の動画見まくってて今月は読書スピード遅い。

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(画像ちっちゃ)

『螺旋の手術室』知念実希人

純正会医科大学附属病院の教授選の候補だった冴木真也准教授が、手術中に不可解な死を遂げた。彼と教授の座を争っていた医師もまた、暴漢に襲われ殺害される。二つの死の繋がりとは。大学を探っていた探偵が遺した謎の言葉の意味は。父・真也の死に疑問を感じた裕也は、同じ医師として調査を始めるが…。「完全犯罪」に潜む医師の苦悩を描く、慟哭の医療ミステリー。

 

大好き知念実希人の見たことない文庫本が平積みされてたので。

 

メッチャ長いわけではないんだけどかなり読み応えある。

現役医師だけあって、病気への知識・院内関係のリアリティが深い。しかもただの知識だけではなく、病気の扱われ方や差別のされ方など他の作品ではあまり書ききれないところまで表されてる。

全体を通して起伏が多くて、読んでて飽きないし先が読めないんだけど、クライマックスの衝撃は凄い。ハンチントン病って初めて知ったし、タイトルの意味がそこでやっと知れた。

あと凄いなーと思ったのが、ラストの謎解き部分で「あれ?これって辻褄あんまり合わなくない?」と思い始めるところに全部腑に落ちる説明があって、納得できない部分がない。

そして最後のけじめの取り方が悲しくて重い。でも最後の最期に救われる。

脇役も個性的で、妹の婚約者の母も胸糞悪さ満点だし、研修医がちょいちょい出てくるからこいつが黒幕なんじゃないかと誤誘導される。

作者特有のハラハラする展開だけじゃなく、一つの物語としてかなり完成度高いです。

 

 

螺旋の手術室 (新潮文庫)

螺旋の手術室 (新潮文庫)