『天久鷹央の推理カルテII: ファントムの病棟 』知念実希人

より泥臭く。

 

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天久鷹央の推理カルテII: ファントムの病棟 』知念実希人

炭酸飲料に毒が混入された、と訴えるトラック運転手。夜な夜な吸血鬼が現れる、と泣きつく看護師。病室に天使がいる、と語る少年。問題患者の巣窟たる統括診断部には、今日も今日とて不思議な症例が舞い込んでくる。だが、荒唐無稽な事件の裏側、その“真犯人”は思いもよらない病気で…。破天荒な天才女医・天久鷹央が“診断”で解決する新感覚メディカル・ミステリー第2弾。

 

前作と比べて、エピソードが1つ減ったこともあり、独立した編といえども一冊の物語としての強度は増している。

他のシリーズでもそうだけど、同じような文章を使用してプロローグをラストに回帰させるという手法は、冒頭ではわからなかった心情や意味を、より深く理解させてくれるから好き。

今作はストーリーごとの、奇特な病気に強く惹かれるというよりも、鷹央の人・医師としての脆さや弱さがより際立ち、それらを乗り越える不器用な人間臭さが強く心に残った。また、小鳥との関係性というか絆もより強固なものになっていく。

後のシリーズを通して、2人がどんどん成長していくのかなと期待させてくれる。

 

次のシリーズも楽しみ。

 

 

 

 

天久鷹央の推理カルテ (新潮文庫nex)

天久鷹央の推理カルテ (新潮文庫nex)

 

 

 

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