『テレビ探偵』小路幸也

久しぶりのマイマスター。

 

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『テレビ探偵』小路幸也

誰もがテレビに夢中だったあの頃、8時の時報と共にあいつらがやってくる!
1969年、人気絶頂のバンド「トレインズ」のボーヤ葛西靖之(チャコ)は、個性的なメンバーたちに振り回されていつも忙しい。ある日、楽屋で殺人未遂(?)事件が発生し--元気全開、昭和青春ミステリの開幕!(Amazonより)

 

作者の醍醐味である、テレビ・エンターテイメントへの敬意が存分に溢れた作品。

 

もちろんモデルはあのグループだけどあくまでフィクション。リアルタイムを知らない自分にとっては、どこまで本当のエッセンスが入っているのかウィキペディア叩きながら読むのも楽しかった。

 

ミステリーと言っても読後感としてはそこまで強くなく、古き良き昭和のテレビ界の雰囲気を味わうことが一番の魅力に感じた。もちろん美談だけではなく、どこか他人を思ったゆえの冷たさのようなものも感じる部分もありまたそこが良い。主人公の素直さも良いんだけどやっぱり周りのキャラが印象に残る。

 

あと何と言っても最終章では、ミステリー要素抜きで人の出会い旅立ちと物事への覚悟の大きさが描かれていてグッときた。

 

作者の好きなものを思いっきり詰め込んだような作品で楽しかった。

 

 

テレビ探偵

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