『ワイルドサイドをほっつき歩け』ブレイディみかこ

今度はおっさんたちの英国。

 

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『ワイルドサイドをほっつき歩け』ブレイディみかこ

EU離脱、競争激化社会、緊縮財政などの大問題に立ち上がり、人生という長い旅路を行く中高年への祝福に満ちたエッセイ21編。第2章は、現代英国の世代、階級、酒事情についての著者解説編。(Amazonより)

 

ジェネレーションZ世代の少年の視点から、今度はベビー・ブーマー世代のおっさんたちの視点から視た英国について。

自分は海外経験が中2の時のアメリカへのホームステイだけで、海外旅行もましてや住んだこともないから、外国はもはや想像上の世界。

その中でアメリカやアジアよりはどこか印象の薄かった英国。EU離脱についての近年のゴタゴタはなんとなく知っていたけど、内政・経済事情がこんなにも低中所得者層にとって緊迫したものになっているとは。緊縮財政なんて恥ずかしながら全く知らなかった。読みながらそういえば好きな映画作品である『わたしは、ダニエル・ブレイク』もイギリスが舞台だったなと繋がった。

経済格差による問題だけでなく、移民と白人間の差別など、世代・所得・文化・人種など様々な理由が混じり合って現在の英国は混沌としているんだなと知れた。その中でも愚痴や文句を言いながらも、なんだかんだ元気に「これも人生だ」と笑い飛ばしているおっさんたちが哀愁と愛くるしさ入り交じってじんわり心に残る。

エッセイとしても現在の英国の事情を知る入門編としてもオススメ。

 

 

 

ワイルドサイドをほっつき歩け --ハマータウンのおっさんたち

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