『表参道のセレブ犬とカバーニャ要塞の野良犬』若林正恭

大好きな人なのに読んでいなかったので。

 

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『表参道のセレブ犬とカバーニャ要塞の野良犬』若林正恭

前作『社会人大学人見知り学部卒業見込』から約4年ぶり、新作の舞台はキューバ!航空券予約サイトで見つけた、たった1席の空席。何者かに背中を押されたかのように2016年夏、ひとりキューバへと旅立った。慣れない葉巻をくわえ、芸人としてカストロの演説に想いを馳せる。キューバはよかった。そんな旅エッセイでは終わらない。若林節を堪能できる新作オール書き下ろし!(Amazonより)

 

旅文学というものを初めて読んだけど、高揚感や突っ込みどころが無理なく入ってきて純粋にキューバという国に興味を持った。

誰かも言っていたけどこの作品は旅文学を装って作者自身の人間性がぶちまけてあってエッセイとしても面白かった。後追いで読んでいるので、現在の作者の思考に至るまでの変遷を確認できた。知らないことを素直に知らないと言えて、自身を過大表現しない真面目さが文章から伝わってくる。

唯一のカラー写真が海のみっていうところが鮮烈さを際立てていたし、『ナナメの夕暮れ』でも記されていたけど、亡くなった親父さんとの会話が哀しさとあたたかさが入り交じった素敵な文章だった。

 

この作品を通して更に作者が好きになったし、最近始めたnoteを読んでいても思ったけど、この人の文章をもっと読みたいという飢えを感じさせてくれる貴重な存在だと感じた。

 

 

表参道のセレブ犬とカバーニャ要塞の野良犬

表参道のセレブ犬とカバーニャ要塞の野良犬

  • 作者:若林 正恭
  • 発売日: 2017/07/14
  • メディア: 単行本
 

 

 

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