もてなしの限界

実家での年末年始の話。

 

実家は同じ市内にあり、現在アパートに一人暮らししており、月に2,3回は帰って昼飯を食ってる状況。

 

毎年年末年始は実家で二泊して、2日の朝に兄家族たちを新幹線乗車駅まで車で送って、そのまま初売り行くのがここ数年の流れ。

 

しかしコロナにより兄たちは帰省せず。今年はおそらく人生初の両親と自分のみの年越し。

 

さすがにもう30過ぎて、「親嫌い!実家だるい!遊び行きたい!」なんて思考は持ち合わせていないので、例年通り31日の夕方から二泊しようかなあと思いながら帰省(で合ってるのか)。

 

 

 

結果無理だった。1日の昼にはアパートに帰ってた。

 

なぜなのか。親と言い争いになったとか、料理に飽きたとか、居てもつまらないとかそんなわかりやすい理由じゃない。

 

両親の「もてなし」を一人で受けることに限界を感じたから。

 

いつもは兄・兄の奥さん・甥(3歳)も一緒だから、もてなしが分散され、というかほぼ兄家族、といかほぼほぼ甥=孫に集まるので、こっちは気楽にテレビ観ながら兄と晩酌してるだけで済んだ。

 

しかし、今年はもてなされる側が自分一人。両親は決して感情表現豊かな方ではないが、多々気を遣われてるのはさすがにわかる。なにもしなくていい。食べ物どんどん出てくる、冷えた酒もどんどん補充される、風呂沸かしてくれる、家の中暖かくて半袖で過ごせる。

 

年末年始という一年で一番だらけることを許された日としては最高の環境。

 

そのもてなしを二日間も自分のみが享受することに恐怖を感じてしまった。甥っ子が産まれる前でも、兄が結婚する前でも、家族四人のみのときでもこんな感情にはならなかった。

 

年末前まで続けてきた自分なりの生活のリズムに戻れない怖さもあった(アパート戻ってきても酒飲みながらテレビ観てるだけだけど)。

 

一人暮らし初めて一年半くらいだけど、もう実家は普段生活する場所ではなく、たまに顔出す場所になっていて、両親は生活を共にするのではなく、時々一緒に食卓を囲むぐらいがちょうどいい存在になっていた(むしろ世話をするべきだけど)。

 

70歳に差し掛かる親とは、既に昔のままの親と子の関係ではないことを実感した20時間んだった。