『POP LIFE』RHYMESTER

さらに沁みるようになってきた。

 

 

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  • RHYMESTER
  • ヒップホップ/ラップ
  • ¥255
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『POP LIFE』RHYMESTER

下町の方でタケノコのように
伸びてく白い電波塔は
赤い電波塔より鮮やかな未来像(ヴィジョン)
届けてくれるんだそうだ
オトナたちの言う「希望に満ちたあの頃」
ってのはいつだろうか?
ま、そりゃそうと出かけよう
オレたちの今日はこれからさ It's not over
だいたいのTimeにだいたいのPlaceで
再会果たす喰えないメンバ一
Do you remember 不便なスカイペイジャ一?
手にはスマ一トな携帯電話
これはカンだが確かな実感だ
おまえのドヤ顔見て感じたんだ
オレたちの人生 かなりイケてんぜ
「あの頃」以上にPopに弾けてんぜ No?


雲一つないSunny days
続いたかと思えばまたRainy days
キミの気分のようなEveryday
繰り返すオレたちの弾ける人生
雲一つないSunny days
気が滅入るような灰色のRainy days
どっちでもないこのEverydayこそ素晴らしい
弾ける人生
万事快調ったぁ言い難いDays
互いの主義主張同士が今日も對決
話し合いさえすれば解決ってわけでもない
こいつは根が深いケ一ス
要はとにかくムシが好かねぇ
何かって言やぁすぐにムシ返すタネ
アイツと違って粘着じゃねぇ!
と自分じゃエバってんのに ぶり返す邪念
あるいは立場を交換すると
ヤツにさえかすかに共感する
どころかヘタすりゃ共通項ばっか
だったりして ちょいとこいつは困った
こちらから見りゃサイテ一な人
だがあんなんでも誰かの大切な人
ならいいんじゃん?と思えた不思議
風向きだって変わるさそのうちに


雲一つないSunny days
続いたかと思えばまたRainy days
キミの気分のようなEveryday
繰り返すオレたちの弾ける人生
雲一つないSunny days
気が滅入るような灰色のRainy days
どっちでもないこのEverydayこそ素晴らしい
弾ける人生


ああ、思えば遠くへ来たもんだ
よくもまあベシャり続けたもんだ
あの時分の自分たちの気分
込めたナンバ一聴きながら思うんだ
あの頃にはあの頃の悩みが
その頃には心の暗闇が
ってことはオマエもそうか
こりゃ失礼 オレの不明 どうか見逃してくれ
だけどMy man, My friend, My dear
思い出せばあの頃もオレらは笑ってた
クダラなすぎて とうに忘れた
マジクダラねえギャグとばしあってた
ってことは今もその螺旋の最中?
ってことは今のうちにしとかなきゃ
この弾ける毎日すらイマイチと
見まがうほどの明日へのリハ一サルを!

 

雲一つないSunny days
続いたかと思えばまたRainy days
キミの気分のようなEveryday
繰り返すオレたちの弾ける人生
雲一つないSunny days
気が滅入るような灰色のRainy days
どっちでもないこのEverydayこそ素晴らしい
弾ける人生

 

 

2011年3月発売のアルバム『POP LIFE』の表題曲。

その頃から10年経っても変わらずに好きだったけど、最近になってまた響くリリックが増えてきて、もはやこの曲は人生のテーマソングなんだと思ってる。年を経て、好きな曲にさらに感じるところを発見するっていうのは嬉しいことだった。

 

音楽的なことは全くわからないけど、聴き始めた22歳の時からこの哀愁と郷愁(東京の歌だけど)と壮大さが入り交ざったようなトラックと、酸いも甘いも噛み締めてきたようなリリックが好きだった。

 

特にMummy-D

 

この弾ける毎日すらイマイチと見まがうほどの明日へのリハ一サルを!

 

ってところにヤラれて、今も最高だけど自分次第で明日は更に最高なものになるっていうようなメッセージを感じてた。

そう感じたのも自分自身が、「今のところ人生ずっと今が一番楽しいな」と思っていたことも関係してるんだと思う(今もそう思ってるけど)。

何回も聴いて、ライブDVDも観て、個人的に『It's A New Day』と並ぶ活動再開後の静かな名曲だと思ってる。

 

そして最近のMTVのアンプラグドライブでも披露していて、やっぱりいい曲だと再確認したけど、今までとは違う部分に感じ入るようになっていた。

 

それは宇多丸の、

 

こちらから見りゃサイテ一な人 だがあんなんでも誰かの大切な人
ならいいんじゃん?と思えた不思議 風向きだって変わるさそのうちに

 

ってラインだった。

 

社会人として10年が過ぎて、合う人だけではなく合わない人とも出会ってきて、極力は合わない人とは一緒に居たくはないけど、それで全て切り抜けられる状況ばかりじゃないってことも、もちろんもうわかってる。

でも30歳なりたてぐらいの時は、自分がなんらかの敬意を感じられない人と一緒にいることに、諦めというか一種の軽い絶望を感じていた。「ずっとこういう環境に多少のストレスを感じて過ごしていくのか…」と。

今だったら自分の視野が狭かったし、嫌なら自分で逃げ道作ればいいって思えるけど、人生どっちに舵切るかの一つの節目みたいに感じていた年齢で焦っていたというか考え方が浅くなっていたんだと思う。

そういう時を経て改めてこのリリックを聴くと、本当に魔法の言葉のように聞こえる。

自分は嫌いでも、その人の周りの人からしてみればなんらかのポジティブな感情が生まれる存在なんだなと。

そう考えるとイラッとしたらムカついてもそのあとの切り替えがわりとすぐできるし、いい意味で諦められるようになった(全てに当てはまるわけじゃないけど)。

あと大事なのは最後の「風向きだって変わるさそのうちに」ってところで、その人に対する自分の感情や相手の自分に対する感情、もしくは取り巻く周囲の環境、それらはずっと固まってるものではなくて、いつかは変化していくものって考えられたら、さらに人間関係や生活が楽になっていくと思う。

 

歳を取れば取るほど、経験が増えれば増えるほど、重みや響きが増えていく大切な曲。