『この話、続けてもいいですか。』西加奈子

読み初めはこれ。

 

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『この話、続けてもいいですか。』西加奈子

 

テヘランで生まれカイロと大阪で育った著者が、小説の舞台となった大阪のこと、いろんな人との関わり、日々の生活で思ったこと、こだわること、などを縦横無尽に語る。『ミッキーかしまし』『ミッキーたくまし』をテーマ別に整理しなおし1冊にまとめた、著者唯一のエッセイ集。世界とのかかわり方、楽しみ方、その存在の強度が圧巻。小説の根っこが顔を覗かせる。(Amazonより)

 

2010年台後半から著者の作品を読み始めた身としては、小説や『まにまに』やラジオや動画で観る著者は、センスとユーモアを兼ね備え、人間を超越しているような魅力を持っている人物。

でもこのエッセイで知る西加奈子は、極めて普通で多分に下劣で、どうしようもないアラサーそのもので、しかしその全力に生ききってる日々の大小の物語が、たくさんのエネルギーを与えてくれる。

今よりも良くも悪くもいろいろなシガラミが少なかった時代に書かれているため、毒気を十二分に含み、切れ味鋭く笑いのツボをぶった切ってくるエピソードも好きだし、そんなエピソードに隠れて随所に潜んでいる美しすぎる文章も大好き。

その日は、まず、夕焼けが見事でした。太陽が見えなくなった後の十分くらい、空がピンク色に染まって、それが段々淡い橙色に変わっていく瞬間、境目が薄い紫になります。多分次の日は雨で、こんな色のスカート欲しいなぁと、私がいつも思う空です。

情景のリアルさとロマンチックさがドバドバ溢れている。

個人的にこのエッセイは、大げさだけれども神格化される前の、良くも悪くも人を超えてしまう寸前の西加奈子の物語。

 

 

 

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