『常識のない喫茶店』僕のマリ

最高な読書体験だった。

 

『常識のない喫茶店』僕のマリ

「働いている人が嫌な気持ちになる人はお客様ではない」
――そんな理念が、この店を、わたしを守ってくれた。

失礼な客は容赦なく「出禁」。
女性店員になめた態度をとる客には「塩対応」。
セクハラ、モラハラ、もちろん許しません。

ただ働いているだけなのに、
なぜこんな目にあわなければならないのか。
治外法権、世間のルールなど通用しない
異色の喫茶で繰り広げられる闘いの数々!
狂っているのは店か? 客か?
あらゆるサービス業従事者にこの本を捧げます。

喫茶×フェミニズム――
店員たちの小さな抵抗の日々を描く、
溜飲下がりまくりのお仕事エッセイ!(版元.comより)

 

 

誰かがエッセイで出てきたので気になって(こだまさんのかな?)。

読み終わったら誰かにオススメせずにはいられない作品だった。そしてこれをオススメできる人とのつながりは大切だと思う。

胸がすくような爽快な痛快なエピソードや、働くこととりわけ接客業について改めて考えさせられることが満載。

「失礼な客は出禁」、トンデモな方針のように思えるけど、仕事に消費されず自分たちを守るためにはそれはとても大切なことであって、本当は当たり前であるべきことなんだとも感じる。そこに少しの躊躇を覚えてしまうのは、多少なりとも自分も社会に良くも悪くも慣れてしまっているからだと思う。

また痛快さだけではなく、「自分もこういうふうに思われているんじゃないか」と思うと、意識してなかった接客を受ける側としての態度も考え直してしまう。タバコ買うとき番号しか言わない時あったり。。

伝え切れないほどの魅力がたっぷりなのでぜひ読んでほしいし、一生本棚に置いておきたい一冊。

あとやっぱり、少し怖いけどこの喫茶店行ってみたいな。