『ザーッと降って、からりと晴れて』秦建日子

初めて読んだ人。

 

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『ザーッと降って、からりと晴れて』秦建日子

リストラ直前の中年男、駆け出しのシナリオライター、離婚目前のキャリアウーマン、本命になれない30歳のOL―。一生懸命生きているけど、ちょっと不器用な人たちに起こる、小さな奇跡が連鎖して…感動の連作小説。(Amazonより)

 

最初は「ニューカレドニア」っていうテーマにした色んな短編集かなと思ってた。それでちょっとずつ登場人物もカブるっていう設定なのかなと。

 

でもそんなもんじゃなかった。色んな散らばり方してると思ってたけど、中心の軸はずっとブレてないっていうか、時代を経つつ螺旋階段を昇っているようっていうか。最後までの繋がりの回収の仕方が綺麗だし、読んでるときは大げさに書いてなくて意識しないから、再登場した時に割と驚く。

 

話の内容も、恋愛だけではなく、人生全体がメインで、全部がすっきり解決せず、苦さみたいなものを残しつつ短編が終わるので後を引く。

 

人生の酸いも甘いも経た後の物語で、さらっと読める大人も楽しめる作品。