2020-06-01から1ヶ月間の記事一覧

『塀の中の美容室』桜井美奈

ずっと気になってた作品。 『塀の中の美容室』桜井美奈 『ご』と入力すると『ゴメン』と出てきて…『ゴメン。今日も仕事でダメになった』の一文ができあがる―。激務が続く番組制作会社で働く芦原志穂。彼女は今日も恋人にデートのキャンセルを告げるメールを…

『Big Pants ~スケートボード is 素敵~』柳町唯

これも最高な一冊だった。 『Big Pants ~スケートボード is 素敵~』柳町唯 『HIDDEN CHAMPION』にて連載していた人気読み切り小説『スケートボードis素敵』の全九編を元に改稿し、新たに書き下ろした一編を加えた青春短編集『ビッグパンツ』待望の書籍化!!)…

『全部ゆるせたらいいのに』一木けい

身に刺さる物語だった。 『全部ゆるせたらいいのに』一木けい 不安で叫びそう。安心が欲しい。過剰に安心させて欲しい。なのに、願いはいつも叶わない――。家族って、幸せって一体何だろう。痛みを直視して人間を描き、強く心に突き刺さる、圧倒的引力の傑作!…

『銀河鉄道の父』門井慶喜

想像以上に良かった。 『銀河鉄道の父』門井慶喜 宮沢賢治は祖父の代から続く富裕な質屋に生まれた。家を継ぐべき長男だったが、賢治は学問の道を進み、理想を求め、創作に情熱を注いだ。勤勉、優秀な商人であり、地元の熱心な篤志家でもあった父・政次郎は…

『ワイルドサイドをほっつき歩け』ブレイディみかこ

今度はおっさんたちの英国。 『ワイルドサイドをほっつき歩け』ブレイディみかこ EU離脱、競争激化社会、緊縮財政などの大問題に立ち上がり、人生という長い旅路を行く中高年への祝福に満ちたエッセイ21編。第2章は、現代英国の世代、階級、酒事情についての…

『そして、星の輝く夜がくる』真山仁

また忘れちゃいけない物語が増えた。 『そして、星の輝く夜がくる』真山仁 東日本大震災から三年の月日をかけ紡ぎ出された希望と祈りの物語。著者自らが体験した阪神・淡路大震災。そして2011年3月11日。被災地の小学校を舞台に描かれる「六つの願い」。(Am…

『さんかく』千早茜

ずっと読みたかったやつ。最高だった。 『さんかく』千早茜 「おいしいね」を分け合えるそんな人に、出会ってしまった。古い京町家で暮らす夕香と同居することになった正和。理由は“食の趣味”が合うから。ただそれだけ。なのに、恋人の華には言えなくて…。三…

『1ミリの後悔もない、はずがない』一木けい

恋愛小説を飛び越えて人生だった。 『1ミリの後悔もない、はずがない』一木けい 「俺いま、すごくやましい気持」。ふとした瞬間にフラッシュバックしたのは、あの頃の恋。できたての喉仏が美しい桐原との時間は、わたしにとって生きる実感そのものだった。逃…

『十字架のカルテ』知念実希人

楽しさだけではなかった。 『十字架のカルテ』知念実希人 心の闇を暴くミステリーの新境地!罪を犯した本当の理由とは―精神鑑定医・影山司が繰り広げる、究極の頭脳戦。(Amazonより) ほとんどの作品を読んでるし、この作者で医療ミステリーの面白さを知った…

『あなたに会えて困った』藤崎翔

警戒しててもまた爽快に騙された。 『あなたに会えて困った』藤崎翔 善人と書いてヨシト、なのに空き巣で前科二犯の「俺」。出所早々、懲りもせずに忍び込んだ豪邸の主は、なんと初恋相手の美女マリアだった。後日、偶然を装って再会し、急速に距離を縮めて…

『笑いのカイブツ』ツチヤタカユキ

こういう息苦しい物語も大切。 『笑いのカイブツ』ツチヤタカユキ 命を削るようにネタを生み出し、圧倒的な質と量の投稿で「伝説のハガキ職人」と呼ばれた主人公。作家を志すも「人間関係不得意」のため挫折の連続。やがて死を想うようになった彼の頭の中に…