2018-01-01から1年間の記事一覧

『友罪』薬丸岳

2018年読み納めにふさわしい一冊。 『友罪』薬丸岳 「凶悪犯罪を起こした過去を知ってもなお、友達でいられますか?」─ミステリ界の若手旗手である薬丸岳が、満を持して「少年犯罪のその後」に挑む、魂のエンタテイメント長編。(Amazonより) 主役2人だけで…

『図書館戦争』有川浩

なんで今まで読んでなかったのかな。 『図書館戦争』有川浩 2019年。公序良俗を乱し人権を侵害する表現を取り締まる『メディア良化法』の成立から30年。日本はメディア良化委員会と図書隊が抗争を繰り広げていた。笠原郁は、図書特殊部隊に配属されるが……

2018年読書ベスト

また久しぶりの更新になってしまったけど毎年恒例の読書ベスト。 今年は現時点で125冊。去年もうこんなペース無理(136冊)だと思ったけど案外いけるもんだ。 今回も作者1人につき一冊。ランキングではなく全部おすすめの13冊+α。感想の長さはオススメ度に比…

『ナナメの夕暮れ』若林正恭

今年ベストに入るかも。 『ナナメの夕暮れ』若林正恭 オードリー若林、待望の新エッセイ集!『完全版 社会人大学人見知り学部 卒業見込』から3年。雑誌「ダ・ヴィンチ」での連載に、大幅に書き下ろしエッセイを加えた、「自分探し」完結編!ゴルフに興じるおっ…

『ひとつむぎの手』知念実希人

マイマスターは期待を裏切らない。 『ひとつむぎの手』知念実希人 人として一番大切なものは何か。若き心臓外科医に課された困難を極めるミッション。医療ミステリーの旗手が挑むヒューマンドラマ。(Amazonより) 今までの作者の医療ミステリーとは違って、…

『七つの試練 池袋ウエストゲートパーク14』石田衣良

1年に一回の楽しみ。 『七つの試練 池袋ウエストゲートパーク14』石田衣良 常に現代を映し出す、超人気シリーズ最新刊!SNSで課題をクリアして「いいね」を獲得するゲームが若者に流行。次第にエスカレートする課題に「いいね」欲しさに挑み、ある者は大怪我…

『鳩の撃退法』佐藤正午

この面白さはどう表現すればいいんだろう。 『鳩の撃退法』(上下) 佐藤正午 かつては直木賞も受賞した作家・津田伸一は、「女優倶楽部」の送迎ドライバーとして小さな街でその日暮らしを続けていた。そんな元作家のもとに三千万円を超える現金が転がりこん…

『ワルツを踊ろう』中山七里

久しぶりの中山七里面白くて一気読み。 『ワルツを踊ろう』中山七里 20年ぶりに帰郷した了衛を迎えたのは、閉鎖的な村人たちの好奇の目だった。愛するワルツの名曲“美しく青きドナウ”を通じ、荒廃した村を立て直そうとするが、了衛の身辺で、不審な出来事が…

『天才はあきらめた』山里亮太

性格悪いとかどうでもよくなるレベルの努力の量。 『天才はあきらめた』山里亮太 「自分は天才にはなれない」。そう悟った日から、地獄のような努力がはじまった。嫉妬の化け物・南海キャンディーズ山里は、どんなに悔しいことがあっても、それをガソリンに…

『アノニム』原田マハ

久しぶりの原田マハ。 『アノニム』原田マハ ジャクソン・ポロック幻の傑作「ナンバー・ゼロ」のオークション開催が迫る香港。建築家である真矢美里は七人の仲間とともにオークション会場へ潜入していた。一方、アーティストを夢見る高校生・張英才に“アノニ…

『ジャッジメント』佐藤青南

期待以上でした。 『ジャッジメント』佐藤青南 プロ野球チームの監督殺害の容疑で、戦力外通告を受けた投手が逮捕された。新人弁護士・中垣拓也のもとに弁護の依頼が舞い込む。容疑者はかつて共に甲子園を目指した球友、宇土健太郎だった。高三の夏、ある事…

『明日の子供たち』有川浩

半年間の放置。。 やっぱり一度書かなくなると再開するのエネルギー要る。 読んだ本全部感想書こうと思ってたけど、自分へのプレッシャーひどいのでこれからは書きたいやつだけ書いてきます。 そう思わせてくれたのがこの作品。 『明日の子供たち』有川浩 三…

『95』早見和真

マジでこの作者ハズレないな…。 『95』早見和真 1995年、渋谷。平凡な高校生だった秋久は、縁のなかった4人の同級生から突然カフェに呼ばれ、強制的にグループへ仲間入りされられる。他校生との対立、ミステリアスな女の子との出会い…秋久の経験したことのな…

『花咲小路三丁目のナイト』小路幸也

花咲小路シリーズ第四弾。 『花咲小路三丁目のナイト』小路幸也 元「怪盗紳士」も、若手刑事も、ちょっと不思議な花屋さんもいる花咲小路商店街。たくさんのユニークな人々が暮らし、日々大小さまざまな事件が起こる。今回の舞台は花咲小路唯一の深夜営業の…

『i(アイ)』西加奈子

やっぱこの人天才だ。 『i(アイ)』西加奈子 「この世界にアイは存在しません。」入学式の翌日、数学教師は言った。ひとりだけ、え、と声を出した。ワイルド曽田アイ。その言葉は、アイに衝撃を与え、彼女の胸に居座り続けることになる。ある「奇跡」が起こ…

『ひゃくはち』早見和真

天才でも双子でもヤンキーでも落ちこぼれでもない高校野球。 『ひゃくはち』早見和真 地方への転勤辞令が出た青野雅人は、恋人の佐知子から意外なことを打ち明けられた。付き合い出すずっと前、高校生のときに二人は出会っていたという。彼は、甲子園の常連…

『神さまたちのいた街で』早見和真

読んで良かった。。 『神さまたちのいた街で』早見和真 父が交通事故に巻き込まれたことをきっかけに、父と母は違う神さまを信じはじめ、ぼくの家族には“当たり前”がなくなった。ぼくは担任の先生に助けを求めたが、どうやら先生にも自分の正義があるらしい…

『天久鷹央の推理カルテIV: 悲恋のシンドローム』知念実希人

深み増してく。 『天久鷹央の推理カルテIV: 悲恋のシンドローム』知念実希人 天医会総合病院の看護師、相馬若葉から友人の殺害事件について相談をうけた天久鷹央と小鳥遊優。喜び勇んで謎の解明にあたる鷹央だったが、その過程で“事件から手を引く”と宣言す…

『マイ・ディア・ポリスマン』小路幸也

やはり至極の読みやすさ。 『マイ・ディア・ポリスマン』小路幸也 奈々川市坂見町は東京にほど近い古い町並みが残る町。元捜査一課の刑事だった宇田巡は、理由あって“東楽観寺前交番”勤務を命じられて戻ってきたばかり。寺の副住職で、幼なじみの大村行成と…

『ソロモンの犬』道尾秀介

道尾秀介、読まず嫌いしてたの後悔。 『ソロモンの犬』道尾秀介 秋内、京也、ひろ子、智佳たち大学生4人の平凡な夏は、まだ幼い友・陽介の死で破られた。飼い犬に引きずられての事故。だが、現場での友人の不可解な言動に疑問を感じた秋内は動物生態学に詳し…

『天久鷹央の推理カルテIII: 密室のパラノイア』知念実希人

エピローグでの期待感。 『天久鷹央の推理カルテIII: 密室のパラノイア』知念実希人 呪いの動画によって自殺を図った女子高生。男性に触れられた瞬間、肌に異常をきたす女性。そして、密室で溺死した病院理事長の息子…。常識的な診断や捜査では決して真相に…

『プリズム』貫井徳郎

勉強になった。 『プリズム』貫井徳郎 小学校の女性教師が自宅で死体となって発見された。傍らには彼女の命を奪ったアンティーク時計が。事故の線も考えられたが、状況は殺人を物語っていた。ガラス切りを使って外された窓の鍵、睡眠薬が混入された箱詰めの…

『天久鷹央の推理カルテII: ファントムの病棟 』知念実希人

より泥臭く。 『天久鷹央の推理カルテII: ファントムの病棟 』知念実希人 炭酸飲料に毒が混入された、と訴えるトラック運転手。夜な夜な吸血鬼が現れる、と泣きつく看護師。病室に天使がいる、と語る少年。問題患者の巣窟たる統括診断部には、今日も今日とて…

『ブックストア・ウォーズ(書店ガール)』蒼野圭

『書店ガール』の原題だと読み終わってから気づいた。 『ブックストア・ウォーズ』蒼野圭 27歳の亜紀は、大手出版社の編集者と結婚して幸せいっぱい、仕事も楽しくてたまらない。文芸書はもちろん、コミック、ライトノベル、ボーイズラブにも気を配り、売り…

『無理』奥田英朗

父親に薦められて上下巻一気読み。 『無理』奥田英朗 合併でできた地方都市、ゆめので暮らす5人。相原友則―弱者を主張する身勝手な市民に嫌気がさしているケースワーカー。久保史恵―東京の大学に進学し、この町を出ようと心に決めている高校2年生。加藤裕也―…

『天久鷹央の推理カルテ』知念実希人

ずっと手つけてなかったシリーズをついに。 『天久鷹央の推理カルテ』知念実希人 統括診断部。天医会総合病院に設立されたこの特別部門には、各科で「診断困難」と判断された患者が集められる。河童に会った、と語る少年。人魂を見た、と怯える看護師。突然…

『オブリヴィオン』遠田潤子

今作も大満足でした。 『オブリヴィオン』遠田潤子 森二が刑務所を出た日、塀の外で二人の「兄」が待っていた―。自らの犯した深い罪ゆえに、自分を責め、他者を拒み、頑なに孤独でいようとする森二。うらぶれたアパートの隣室には、バンドネオンの息苦しく哀…

『アルキメデスは手を汚さない』小峰元

今更すぎるがいい小説に出会えた。 『アルキメデスは手を汚さない』小峰元 「アルキメデス」という不可解な言葉だけを残して、女子高生・美雪は絶命。さらにクラスメートが教室で毒殺未遂に倒れ、行方不明者も出て、学内は騒然!大人たちも巻き込んだミステリ…

『君を一人にしないための歌』佐藤青南

またもやTSUTAYAで推されていたので。 『君を一人にしないための歌』佐藤青南 中三の夏、全国出場をかけた吹奏楽コンクールで大失敗を犯したことをきっかけに、ドラム演奏をやめた僕―高校入学から一カ月が過ぎたある日。七海という見知らぬ女子生徒に強引に…

『愚行録』貫井徳郎

映画が面白かったので。 『愚行録』貫井徳郎 ええ、はい。あの事件のことでしょ?―幸せを絵に描いたような家族に、突如として訪れた悲劇。深夜、家に忍び込んだ何者かによって、一家四人が惨殺された。隣人、友人らが語る数多のエピソードを通して浮かび上が…