『電車のなかで本を読む』島田潤一郎

『電車のなかで本を読む』島田潤一郎

▶︎作品紹介
「楽しむため、成長するため……、でも、それだけじゃないんだよなぁ。」
ひとり出版社・夏葉社を営む島田潤一郎氏が、これまでに読んできた本のなかから、自分の体験をまじえつつ紹介する、珠玉の49冊。(出版社より)
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▶︎感想
エピソードを含めた選書は言わずもがな、著者自身の生き方に興味が惹かれる。
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『ぼくにはこれしかなかった』
『気がついたらいつも本ばかり読んでいた』
『べらぼうくん』
『ニワトリと卵と、息子の思春期』
ここら辺は読んでみたいな。
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”こころの底から絶望したとき、救ってくれるのは、だれかの言葉でしょう。それは指針としてではなく、座右の銘でもなく、自分の言葉がだれかの言葉のなかに溶けてしまうという経験において読者を救います”

”年をとり、好奇心が以前より衰え、あたらしいものを拒否する。そういう姿勢を老いとするなら、棚に並ぶ本を端から端まで眺め、それまで読んだことのない分野を知りたいと願う気持ちこそが若さだと思います”

”本を買うのは、本を読む時間を買うことだ”
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読書という技術の進歩に左右されず、興味がない人には非効率でタイパが悪い行為になぜ夢中になるのか、「本が好き」という共通項で繋がった人たち(だけ)が頷き合える文章がこの本にはたくさんある。