2021-03-01から1ヶ月間の記事一覧

『魯肉飯のさえずり』

読んでる最中も読み終わった後も魯肉飯食べたくなる。 『魯肉飯のさえずり』温又柔 ママがずっとわたしの恥部だった―「もしも、あたしが日本人ならと思う」就活に失敗し、逃げるように結婚を選んだ桃嘉。優しい台湾人の母に祝福されるも、理想だった夫に一つ…

『本屋さんのダイアナ』柚木麻子

子供も大人にも深く残る素晴らしい作品。 『本屋さんのダイアナ』柚木麻子 私の呪いを解けるのは、私だけ。「大穴」という名前、金色に染められたパサパサの髪、行方知れずの父親。自分の全てを否定していた孤独なダイアナに、本の世界と同級生の彩子だけが…

『愛されなくても別に』武田綾乃

新感覚だった。 『愛されなくても別に』 武田綾乃 時間も金も、家族も友人も贅沢品だ。「響け!ユーフォニアム」シリーズ著者が、息詰まる「現代」に風穴を開ける会心作!(Amazonより) 著者の作品を読んだことなかったけど、評判で気になって。 ここ数年は、…

『終点のあの子』柚木麻子

白でも黒でもない柚木麻子って感じ。 『終点のあの子』柚木麻子 プロテスタント系女子高の入学式。内部進学の希代子は、高校から入学した奥沢朱里に声をかけられた。海外暮らしが長い彼女の父は有名なカメラマン。風変わりな彼女が気になって仕方がないが、…

『暇と退屈の倫理学』國分功一郎

思ってたよりずっと面白かった。 『暇と退屈の倫理学 増補新版 (homo Viator)』國分功一郎 旧版『暇と退屈の倫理学』は、その主題に関わる基本的な問いを手つかずのままに残している。なぜ人は退屈するのか?―これがその問いに他ならない。増補新版では、人が…

『卵の緒』瀬尾まいこ

やっぱりこの人ものすごい。 『卵の緒』瀬尾まいこ 捨て子だと思っている小学校4年生の育生、妙ちきりんな母親、そのとぼけたボーイフレンド、不登校の同級生、血の繋がらない親子を軸に、「家族」を軽やかなタッチで描く。坊ちゃん文学賞大賞受賞作に書き下…

『なぎさ』山本文緒

言い表せないけど面白かった…。 『なぎさ』山本文緒 家事だけが取り柄の主婦、冬乃と、会社員の佐々井。同窓生夫婦二人は故郷長野を飛び出し、久里浜で静かに暮らしていた。佐々井は毎日妻の作る弁当を食べながら、出社せず釣り三昧。佐々井と行動を共にする…

『ナイルパーチの女子会』柚木麻子

期待していた世界観があった。 『ナイルパーチの女子会』柚木麻子 商社で働く志村栄利子は愛読していた主婦ブロガーの丸尾翔子と出会い意気投合。だが他人との距離感をうまくつかめない彼女をやがて翔子は拒否。執着する栄利子は悩みを相談した同僚の男と寝…