『友罪』薬丸岳
2018年読み納めにふさわしい一冊。
「凶悪犯罪を起こした過去を知ってもなお、友達でいられますか?」─ミステリ界の若手旗手である薬丸岳が、満を持して「少年犯罪のその後」に挑む、魂のエンタテイメント長編。(Amazonより)
主役2人だけではなく、登場人物それぞれが簡単に解決できたり割り切れたりできない苦悩・業を抱えていて、読み終わった後でも作中にある通り間違いなく正解とは言い切れなくて、これからもふとした時に頭によぎるような問題を提示してくれた。
過去にやっちまった罪について文句言われるの込みで向き合っていかなきゃいけないとは思うし、もし自分の近くに過去に凶悪犯罪を起こした人がいるってなったらどんな対応をするかって想像すると全力で批判はできないけど、週刊誌の対応や従業員の変わり身の様子は胸糞悪くて良かった。
常に誰かの苦悩を覗いているようで、すっきりとした読後感なんてないけど、導き出される正解が二つだけある気がする。
「何も悪いことはしてない。逃げない。」と「友達を死なせたくない。」
難しいテーマでうまく感想がまとまらないけど、それだけ投げかけられることが多かった。作者の他の作品も読んでみよう。