『なんで僕に聞くんだろう。』幡野広志

『なんで僕に聞くんだろう。』幡野広志

▶︎作品紹介
「家庭ある人の子を産みたい」「親の期待と違う道を歩きたい」「虐待してしまう」「風俗嬢に恋をした」「息子が不登校」「毒親に育てられた」「売春がやめられない」「精神疾患がバレるのが怖い」......。誰にも言えない悩みを、なぜか皆、余命宣告を受けた写真家には打ち明ける。どんな悩みも、軽やかだけど深く、変化球な名言で刺し、包む!異色の人生相談。(Amazonより)
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▶︎感想
『ぼくたちが選べなかったことを、選びなおすために。』で抱いた著者への印象からより人としての鮮烈さが増した。

多種多様な質問への距離感が絶妙。常に寄り添うのでもなく、突き放すのでもなく。それは、「どうせ死ぬから」という一種の開き直りの前に、作者の他者や事象に対する捉え方が極めてニュートラルだからなんじゃないかと思う。
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”大切という言葉には、邪魔という意味が込められているんだなぁっていつも感じます”

”勇気をださずに行動しないあなたに勝ち目はありません。彼女が強敵というよりも、あなたが敵として弱いだけです”

”夢や目標を叶えられなかったことが悪いわけじゃないです。自分ができなかったからといって、足を引っ張ったり、目標に進む人を嘲笑したりすることが悪いのです”

”親はもちろん、周囲の人間全員にいい顔してもらうことなんて不可能なの。そんなことよりも自分がいい顔になることを考えなくちゃ”
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質問を読んでいても、著者がどの角度から回答するのか予想がつかないし、言葉が悪いけどそこにワクワクを感じてしまう。

ひとりの人としても、「死ぬ側」の立場の意見としても、きっかけになるような言葉がたくさんあった。他の作品も読んでみよう。

 

 

 

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