『中山七転八倒』中山七里
めっちゃ裏切られた。いい意味で。
『中山七転八倒』中山七里
雑誌連載が10本に減り大いに危機感を抱き、プロットが浮かばずブランデーをがぶ飲み。原稿の締め切り直前、設定していたトリックが使えないことが判明。栄養ドリンクの三種混合を一気飲みし、徹夜で考え抜く―。どんでん返しの帝王がプロットの立て方や原稿の進め方、編集者とのやりとりを赤裸々に告白。本音炸裂、非難囂々の爆笑エッセイ!
解説にも書いてあるし、著者自身もそんなつもりないと思うし、エッセイというよりは本当に日記て感じ。ただし、その普段の日常が衝撃的なことがありすぎて、嫌が応にも心に突き刺さるトピックが多い。
かなり好きな作家さんだけど、音楽や医療に対する専門的に学んだ経験があるわけではなく、また自身が書きたいことや主張を表現するのではなく、求められたことに応えるっていうスタンスがかなり驚きだった。その姿勢であんなにのめり込まされる物語が作れるのかいい意味でショックだった。
また本人は本気で卑下している感じだけど、執筆方法含め生活スタイルがブラック企業なんて優しく思えるほどぶっ飛んでて、そもそものスペックが化け物。
定価での購入(買って文化に貢献する)や図書館の件など、耳が痛い部分含め、シンプルな忖度ない極めて毒舌な意見は爽快。しかし、本当に『作家刑事毒島』は作者そのものに近そうだな。。
これからの作品の読み方も少し変わりそうで楽しみ。