『ピエロがいる街』横関大

マイマスター。

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『ピエロがいる街』横関大

比南子はスローガン「会いに行ける市長」を掲げる宍戸市長の秘書だ。しかし兜市は財政難で、市民の小さな願いごとを叶える余裕はない。そんな兜市では、夜になると市民の悩みを解決するピエロが現れる。大学生の稜が「就職、したいです」とピエロに相談すると、稜はピエロの助手に採用された。迷子の犬捜しから、台風、汚職、財政難まで、次々と襲いくる危機に市長とピエロは立ち向かう!

 

俺の大好きだった横関大はどこに行ってしまったのか。

ラスト20ページくらいまではそう思ってて、読みながら悲しくなってた。

つまらなくはないけど作者特有のワクワク感あまりないし、多分最後こんな展開なんだろうなと勝手に冷め始めてた。

 

それが。ラストのあるシーンで全てが覆された。『スマイルメーカー』と同じ騙され方した。騙されたというか勝手に錯覚してた。もう一回読んだら、印象全く違うと思う。やっぱり横関大すごい。

そのシーンを読んでから、だからあの人は越えたいと思ってたのか、あの登場人物は出てきたのか、とか色々ガッテンし始めた。

不思議な感覚になるのは、語り部はいるけど、一人が主役になるのではなく、お互いに欠点というか足りないところを補っている感じが新鮮だった。あの人はピエロが誰だったのか知らなかったのかな。

 

途中でストーリー予想できた気にさせてからのサプライズ、本当に楽しかった。寂れた地元に住む身として共感できる部分が色々ある。

 

 

ピエロがいる街

ピエロがいる街

 

 

 

スマイルメイカー

スマイルメイカー