『男ともだち』千早茜

新年度のバタバタからの怠けで5ヶ月間も停まってしまってた。

 

久しぶりのはこれから。

 

 

 

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『男ともだち』千早茜

29歳のイラストレーター神名葵は関係の冷めた恋人・彰人と同棲をしながらも、身勝手な愛人・真司との逢瀬を重ねていた。仕事は順調だが、ほんとうに描きたかったことを見失っているところに、大学の先輩だったハセオから電話がかかる。七年ぶりの彼との再会で、停滞していた神名の生活に変化が訪れる―。直木賞候補作。

 

初めて読む作家だったし、直木賞候補作品だったことも知らなかった。この前に読み始めた本があまりノッてこなくて、書店でオススメされてたので購入。

冒頭から文章が頭に入って来やすい。わかりやすい平易な文章だからというよりは、舞台年齢がドンズバで、感情や状況に理解しやすかったんんだと思う。

例えばP.26の悪口暴言混じりのやり取りとか、実際仲良い女ともだちとは日常的に行われるやり取りだし、物語の一つの柱となってる「浮気・不倫」についても現実離れしたこととは思わずにページを進められた。

 

自分には圧倒的に不足している経験・感情ではあるけれども、誰かと一緒にいること・いながらも他者を求めてしまうことなど、他者からの理解の範疇かではなく、極主観的な視点で味わうことができた。

 

解説曰く屑な人間性ではあるけれども、青年・壮年期の男は誰しもが「ハセオ」に憧れを持ってしまうのではないか。

 

また、こんなはずではなかった、もっと違う「何者」への憧れと劣等感や苛立ちなど、負の側面含めて自身に染み込んでいく部分があった。

 

かなり満足できた作品だったので他の作品も漁ろうと思います。

 

 

 

男ともだち (文春文庫)

男ともだち (文春文庫)