『彼女がその名を知らない鳥たち』(映画)
原作に負けず劣らず。
『彼女がその名を知らない鳥たち』
共感度0%、不快度100%。最低な女と男が辿りつく“究極の愛"とは― このラストは、あなたの恋愛観を変える。
原作を読んでから観たから陣治のクズさや不潔感、十和子への執着の裏に隠れた優しさを知ってしまってて、ちょっともったいなかった。真相を知らずに見れば最後の展開には驚きが凄いんじゃないかと。
何と言っても他では味わえない阿部サダヲの汚いほどの人間臭さに圧倒される。一番ガサツで最低で、でも一番カッコイイ阿部サダヲ。寝起きで体調悪いのにすぐタバコに火つける気持ちすごくわかる。
蒼井優も泣き笑いの表情が素晴らしかったし、男との情事を期待して対面している時の濃くてもイマイチちぐはぐな厚化粧とか言い意味でめっちゃ似合ってた。
そして個人的に出演してたらとりあえずハズレはない安定の松坂桃李。今回も程よいクズっぷり。『娼年』早く観なければ。
あと映像ならではというか、代替品の時計の値段を知る場面がよりインパクトがある演出だった。
破綻者たちの共依存と凸凹が全体を通して目立つけど、根底にあるのはラストに表されている不器用で純粋な愛情。オーラスの十和子の一言が最高です。