『ひとまず上出来』ジェーン・スー

このエッセイも響いた。

 

『ひとまず上出来』ジェーン・スー

重ねる歳はあるけれど、明けない夜はないはずだ。

CREA連載「●●と▲▲と私」に加え、SNSで話題沸騰の推しエッセイ「ラブレター・フロム・ヘル、或いは天国で寝言。」、
楽しいお買い物についての書きおろしも収録。
いまの自分の「ちょうどいい」を見つけよう、最新エッセイ集!(版元.comより)

 

最初は寝る前に少しずつ読んでたからあんまり頭に入ってこなかったけど、まとめて読み始めたら共感したり響いたりする箇所が多くどんどんのめり込んでいった。

もちろん著名人なんだけどちょうどいい塩梅というか、一般人の感覚もバランス良く持ち合わせているから市井のあるあるというか思わず首を縦に振りたくなる文章が多い気がする。

そしてそのバランス感覚は自身の得意な・平穏が約束されているテリトリーを超えて発揮されていて、自身含め周りの耳が痛くなるような考え方もしっかり表現されている。

 

”肉体にしろ精神にしろ、変わるも変わらないも本人の自由。しかし、自分の身を粗末に扱う自暴自棄と不足があってもそれで良しと自己受容する朗らかな諦観はやっぱり別物で、その違いは「自分のことを好きか」ではなく、「自分に好きなところがあるか」なのかもしれません。”

 

”最近にとみに思うのは、正義と仲間の相性の悪さです。仲間と呼ばれる関係性では、時に公正な判断が鈍くなる。”

 

”家庭、職場、恋愛でそんな役回りばかりと感じるなら、押しつけられた役なのか、手放せない役なのか、一度じっくり考えてみる必要がありそうです。”

 

特に「私はちょっと怒っているんですよ」と「昔の私に教えてあげたい、夢の叶え方」については、個人的なボヤっとした救いというか、表現できないけどこういう側面の考え方もあったら助かるよなっていうものが、めちゃくちゃわかりやすく言語化されていて読んでいてすごく気分が楽になった。

著者の文章にどんどんハマってきたので、エッセイやラジオ漁ってみよう。