『ナナメの夕暮れ』若林正恭
今年ベストに入るかも。
『ナナメの夕暮れ』若林正恭
オードリー若林、待望の新エッセイ集!
『完全版 社会人大学人見知り学部 卒業見込』から3年。
雑誌「ダ・ヴィンチ」での連載に、大幅に書き下ろしエッセイを加えた、「自分探し」完結編!
ゴルフに興じるおっさんなどクソだと決めつけていた。
恥ずかしくてスタバで「グランデ」が頼めない。
そんな自意識に振り回されて「生きてて全然楽しめない地獄」にいた若林だが、四十を手前にして変化が訪れる――。
ゴルフが楽しくなり、気の合う異性と出会い、あまり悩まなくなる。
だがそれは、モチベーションの低下にもつながっていて……
「おじさん」になった若林が、自分と、社会と向き合い、辿り着いた先は。
キューバへの旅行エッセイ『表参道のセレブ犬とカバーニャ要塞の野良犬』では第三回斎藤茂太賞を受賞。
「生き辛い」と感じている全ての人に送ります。(Amazonより)
山里亮太の『天才はあきらめた』の解説を読んでこの人も文章面白そうと思って読んでみたら、大正解だった。
まず文章が上手い。読みやすいことばっかり書いてあるわけでもないんだけど、ハッとする、自分の頭の何かのスイッチを入れてくれるようなフレーズは拾いやすいし、心象描写のような表現も好き。旅行中のお父さんとの会話なんて思わず感動した。
個人的にも30歳を目前に色々考えることが多くなってきてる現在、周りの意見に左右されず自分の意思を貫くことに多少の迷いもあったりして、作中の「耳が痛いことを言ってくれる信頼できる人を持つこと」って部分がいい意味で一旦冷静にさせてくれた。
悩み抜いてきた人だからこそ結果ニュートラルというか、「その気持ちもわかるよ」ってスタンスの文章が多くて、本当に今の自分に参考になるトピックが多かった。
あとあとがきの「俺はもうほとんど人生は”合う人に会う”ってことで良いんじゃないかって思った。」ってとこに食らった。これからあと十数年たくさん経験・失敗してその域に達したい。
だいぶ面白かったので前のエッセイも読んでみよう。