『いけない』道尾秀介

読み終えたのが深夜で眠れなくなった。。

一気読みしなかったことを激しく後悔。

 

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『いけない』道尾秀介

騙されては、いけない。けれど絶対、あなたも騙される。

『向日葵の咲かない夏』の原点に回帰しつつ、驚愕度・完成度を大幅更新する衝撃のミステリー!

第1章「弓投げの崖を見てはいけない」
自殺の名所付近のトンネルで起きた交通事故が、殺人の連鎖を招く。
第2章その話を聞かせてはいけない」
友達のいない少年が目撃した殺人現場は本物か? 偽物か?
第3章「絵の謎に気づいてはいけない」
宗教団体の幹部女性が死体で発見された。先輩刑事は後輩を導き捜査を進めるが。

どの章にも、最後の1ページを捲ると物語ががらりと変貌するトリックが……!
ラストページの後に再読すると物語に隠された〝本当の真相〟が浮かび上がる超絶技巧。
さらに終章「街の平和を信じてはいけない」を読み終えると、これまでの物語すべてがが絡み合い、さらなる〝真実〟に辿り着く大仕掛けが待ち受ける。

「ここ分かった!?」と読み終えたら感想戦したくなること必至の、体験型ミステリー小説。

 

噂には聞いていたので、第1章からソワソワ・ワクワクしながら読み始めて、第1章読み終えた時から衝撃と薄ら寒さがあって、「こういう感じで進んでいくのか…」っていう期待感とちゃんと理解したいっていう欲が高まっていく。

でも、各章ごとに明快なわかりやすい物語ではなくて、「あれ、こういうことでいいんだよな…?」「もしかして読みこぼした…?」っていう不安も募り始めてくる。その間も言いようのないおぞましさはどんどん積み重なっていくんだけども。

そして第3章途中からラストにかけての物語の収束の仕方が見事で、それだけでも満足感あるんだけど、「結局あれはどういうことだったの…?」「あそこで死んだのはあの人だと思ってたけど、違かったんだ…。結局誰だったの?」っていう疑問がどんどん湧いてきて。100パーセントいい意味での消化不良感がめっちゃ残ってすぐ読み返したくなる。

その後、我慢できずにネタバレをネットで探したけどもそれでも掴みきれない部分もあって。さっき読み終えたばかりのラストのやり取りもよくよく考えたらとんでもないこと言ってんじゃないか、読み取り方次第だったらまったく逆の意味では?と、どんどん不安か増すばかりで、言いようのない怖さが募ってく。

読み終えてからもこんなに怖さが増幅される作品に出会ったのが初めてだし、こんなに自問自答しながら読む経験も初めてで、結構いろんな意味でトラウマになる作品だった。

今度はインンターバル置かずに、一気に再読したい。

 

 

いけない

いけない