『うつくしい人』西加奈子

久しぶりの西加奈子

 

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『うつくしい人』西加奈子

他人の目を気にして、びくびくと生きている百合は、単純なミスがきっかけで会社をやめてしまう。発作的に旅立った離島のホテルで出会ったのはノーデリカシーなバーテン坂崎とドイツ人マティアス。ある夜、三人はホテルの図書館で写真を探すことに。片っ端から本をめくるうち、百合は自分の縮んだ心がゆっくりとほどけていくのを感じていた-。

 

 

最近気づいたけど、話し方や考え方、雰囲気含め、俺は西加奈子がめちゃくちゃ好きだった。

この動画とか最高。そして憧れる。


作家で画家、西加奈子の自宅で見つけた、クリエイティブであり続けるための5つのこと。| My 5 Favorites | VOGUE JAPAN

 

そんな久しぶりに読んだ大好きな作者の作品。
大きな解決もしないし、派手な展開もない。

でもかすかに自分にしかわからない程度のきっかけや細い光明を最後には味わえる。

他者からの見え方に縛られていた主人公、大好きな母の望む姿にまま生きてきてそのコンパスを失ったドイツ人、そして何を思って生きているのか過去含め見えてこないバーテンダー

それぞれが抱えているものを解決に向けておおっぴらに表したりはしないんだけど、これからもこの人たちは抱え続けながら少し生きづらそうに過ごしていくんだろうなとは思うけど、それでもこのホテルでの、島での数日間を通して気づかないようなレベルかもしれないけど、少し身軽になっていく。

 

終始明るい要素はあまりなく、かと言って暗いままでもなく、曇りのち少し晴れぐらいな感じ。いい悩みの物語でした。

 

 

 

うつくしい人 (幻冬舎文庫)

うつくしい人 (幻冬舎文庫)