私の勝負曲
並行して転載しているnoteの「#私の勝負曲」というテーマに合わせて。
人生で決断する時に聴いて自分を奮い立たせてくれた3曲。
画像は曲とは関係ないけど、系譜。
①『27才のリアル』 狐火
福島出身の38歳のラッパーが十年前に出した曲。
ちょうど大学四年生から社会人になる頃で、政治経済系の学部に通ったのに、自分の好きな業界でしか就活せず、そっち関係に勤めることが決まっていたとき。
自分としては望んだ業界に行けるし満足だったけど、わざわざ私立の大学まで出させてもらったのに、学んだことほぼ関係ないような決め方をしてしまったことに少しの心残りもあった気がする。
そんな時にこの曲を聴いて、働くことや好きなことをやり続けることについて、それまで想像したこともないような覚悟と苦悩を知った。思えば社会で生きていくことについて厳しい現実含め初めて教えてくれたのは狐火だった。
勇気が欲しい
特に上司が活発で生意気な年下でも
余裕で頭を下げられる
勇気が欲しい
月給25万以上社会保険出来ればジムの割引券も欲しい
採用面接前から働いている自分を想像してネガティブにならない
勇気が欲しい
けど、本当は1つの事を信じて続ける勇気を一番欲しい
この曲は狐火の代名詞となり、現在『38才のリアル』まで続いている。卒業後何度かライブで聴く機会があり、いつも悲壮感すら漂う壮絶さに圧倒されつつも鼓舞される。
また空也MCや輪入道のリミックスもそれぞれの望みが強く綴られていて最高なのでオススメ。
②『なら、こう生きよう』 神門
神戸在住のラッパー。
確か社会人3〜4年目ぐらいで転職を意識していた頃。
別業界か、このまま同業か、ずっと漠然と持っていた夢を叶えるために行動するか。色んな選択肢があって、そして次の選択はこれからの人生の大きな分岐点になることもわかっていた。
そんな時にこの曲に出会った。
進みたい道があるのだけど現実が迫り 進めない人へ
安定を取り それを手にした時
きっとあなたは思うでしょう
「もし、あっちに進んでいたなら 今はどんな日々を送っていたかな?」
その答えを知る術はひとつ
今そちらに進む他ないのです
どちらにも進めずいるのは
たぶん、どちらも進みたい道だからさ
夢追う日々は魅力だし
安定ある生活もまた魅力です
じゃあ 進みたい道じゃなく
どちらの進んだ後の未来をのぞきたい?
夢掴めるか? 安定得れるか?
どちらの未来をあなたは知りたい?
恐れることない 真っすぐ進め
どんな道でも歩いたら輝く
正解かなんて 一生分からず
どの道?じゃなく どの足で歩く?
やり直しはきく
生きてりゃまたすぐ
雨なら上がる だけどまた降る
未完成ゆえに不安が邪魔する
飛び込む勇気が道に変わる
何度勇気づけられたか。
生き方に正解・不正解はなく、大事なのは胸の張り方とやり直す決断ということを教えてもらった。
今年始めてライブに行けて実際に聴いて感動した。
これからの人生でも何度も背中押してもらうはず。
③『夢をあきらめて現実を生きます』 神門
そしてその数年後、夢へ続くような舵取りはしてみたものの、なんやかんやあり地元に戻り就職することを決めた時。
曲の内容はホントざっくり言うと、安定を目指したけどそれは叶わぬ夢であって自身にとっての現実であるラッパーとして生きていく。っていう感じ。
12分23秒という超大作で、決心・努力・苦悩・決別・挫折・後悔・更なる決意と、神門自身の行動と思考がセルフストーリーテリングというか、ひとつの物語として耳に入ってくる。内容もさることながらトラックと言葉のハマり方も気持ちよく、起伏も楽しめて長尺が全く苦にならない。
俺はこの曲とは全く対極の行動をとったわけだけど、綺麗事やかっこつけ抜きの人としての晒し方に感銘を受けた。ここまで曲にしなくていいのに。
長年ただただ好きでがむしゃらに七年続けて来たことを
いきなりきっぱりとやめて 1から何かを始めることよりも
それに工夫して何かどうにか続けようとすることの方が
おーい よっぽど現実に思えた
夢をあきらめて現実を生きます
ここまで好きなこと続けて 今さら就職するなんて
それは夢とあきらめて 現実を見てラップを続けます
夢をあきらめて現実を生きます
ここまで好きなこと続けて 今さら就職するなんて
それは夢とあきらめて 現実を見てラップを職にします
タイトルや出来事からはネガティブな印象のほうが強いけど、そこまでの歴史や積み重ね、そして未来への覚悟があるから最後はめちゃくちゃ強いエネルギーを感じる。
って感じの3曲です。
ラップ、特にポエトリーリーディングから力もらうことが多い。