『オンガクハ、セイジデアル - MUSIC IS POLITICS』ブレイディみかこ

よりスッと入りやすかった。

 

『オンガクハ、セイジデアル - MUSIC IS POLITICS』ブレイディみかこ

イギリスの出来事が、その先の未来と、今の壊れた日本を予見する。ロックと英国の社会・政治を斬りまくる初期エッセイ。『アナキズム・イン・ザ・UK』の前半部に大幅増補。著者自身が体験してきた移民差別と反ヘイト。拡大するアンダークラス。イギリスの音楽から労働者階級のプライドを自覚した著者にとっても、音楽と政治は切り離せない。(Amazonより)

 

 

前編『ジンセイハ、オンガクデアル』よりも政治・音楽の話がさらにひとつながりのように感じられて、それだけ音楽と政治は切っても切れないというか、良くも悪くもお互いの要素を含んでいるんだなと感じた。

 

この作品に限ったことではないし、宣伝で謳われてもいることだけど、著者の作品を読むたびに日本と英国の共通点が増してきて、時代の前後が違うだけで対岸の火事ではないような感覚が芽生えてくる。

 

英国の音楽や政治のバックボーンを詳しく知らないから理解の深さや繋がりへの鮮烈さを十分に感じられていないところもあるけれども、それらを抜きにしても伝わってくる、音楽と政治を飛び越えた人生や人間に対する普遍性が存分にある。

 

『勤労しない理由ーオールドパンクとニューパンク』

『ザ・ワーストマザー・イン・ザ・UK』

『Atrocityについて。しかも、まじで』

『Never Mind The Fu**ers』

 

なんかは特に好きだった。

 

本筋ではないけれども、著者が『街のものがたり 新世代ラッパーたちの証言』について述べていて、OMSBやMARIAに触れていたのはアツかったし、そのような英国との共通項は日本や自分の好きな文化の近くにも当たり前にあるんだと再認識した。

 

また、あとがきにもあるように、なぜ著者が文章を綴り続けるのか、その根源が「階級」への強い想いだということにも改めて思い知らされた。

 

”なぜなら、世襲のものを価値あるものと崇めることは、伝統を愛することではなく、生まれ落ちたコンディションで人間を判断し、縛ることを肯定することだからだ。”

 

”政治というものは、本来、この「打たれるもの」がコアにあるべきではないのか。それは古い言葉で言えば「思想」でもいいし、「社会は、そして人間はこうあったほうがクールだ」という個人的な美意識でもいい。”

 

早く著者の作品を全て網羅したい。

 

 

 

 

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