『レヴォリューションNo.3』金城一紀

高校生の時に読みたかった。。

 

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レヴォリューションNo.3』金城一紀

OK、とりあえずやってみますか。
オチコボレ男子高3年生の僕たち。
武器はMoney、Penis、頭脳、上腕二頭筋、そして努力――。(Amazonより)

 

『GO』は人生で一番大事な本だし、『フライ、ダディ、フライ』も好きだけどなぜか読んでなかったやつ。

文句なしの面白さ。高校生の時にこんな風にくだらないことに真剣に熱中したかったな。

またただ面白いだけではなくて、全編を通して「親友の死」という影を感じるから青春の刹那的な側面が色濃く出ている。作者の醍醐味でもある人種・国籍についての投げかけもさらっと含まれていて残りやすい。

そして「異教徒の踊り」のエピソードがメチャクチャいい。「何があっても、踊り続けるんだ」

 

 

レヴォリューション No.3 (角川文庫)

レヴォリューション No.3 (角川文庫)

 

 

『ココ・シャネルという生き方』山口路子

いつ買ってあったんだろう。

 

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『ココ・シャネルという生き方』山口路子

孤児院で育ち、自力で富と名声を手にした世界的ファッションデザイナー、ココ・シャネル。「働く女の先駆者」シャネルのゴージャスな恋愛、仕事への情熱を、「嫌悪の精神」に富んだ「シャネルの言葉」とともにコンパクトかつ濃密に描き出す。シャネルからのメッセージがつまった、熱くてスパイシーな一冊。(Amazonより)

 

ブランド自体も恥ずかしながらぼんやりとしか知らないし、人物も「プラダを着た悪魔」的なイメージしかなかったけど、この本を通してどういう気性なのか、何を信条としているのか、何を許せないのかをわかりやすく学ぶことができた。

実用性を重視していたってところが意外だったし、「醜さは許せるけど、だらしなさは絶対許さない」って言葉も彼女の高貴さを表していると思う。

男性デザイナーが表現する「女性らしさ」や「華美さ」に断固として反抗していたところが今まで持っていたステレオタイプなイメージを覆してくれて新鮮だった。

「欠点は魅力のひとつになるのに、みんな隠すことばかり考える。欠点をうまく使いこなせばいい。これさえうまくゆけば、なんだって可能になる。」

この言葉通りの信念を持ち続けたから革命を起こせたんだと思う。

ウェディングドレスでショーのラストを飾らなかった理由で、「仕事と結婚した彼女のウェディングドレスはシャネルスーツだったから」という作者の解釈が素敵だった。

 

 

新装版 ココ・シャネルという生き方 (中経の文庫)

新装版 ココ・シャネルという生き方 (中経の文庫)

 

 

 

 

『高円寺純情商店街』ねじめ正一

ルーツを学ぶ。

 

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高円寺純情商店街ねじめ正一

高円寺駅北口「純情商店街」。魚屋や呉服屋、金物店などが軒を並べる賑やかな通りである。正一少年は商店街の中でも「削りがつをと言えば江州屋」と評判をとる乾物屋の一人息子だった――感受性豊かな一人の少年の瞳に映った父や母、商店街に暮らす人々のあり様を丹念に描き「かつてあったかもしれない東京」の佇まいを浮かび上がらせたハートウォーミングな物語。直木賞受賞作。(Amazonより)

 

かつて住んでいた大好きな街。

高円寺っていうと夢追い人や社会不適合者(いい意味で)の街ってイメージだけど、これは高円寺の『家族』の物語。家族が住んでいるなんて当然のことなんだけど、意識から薄れる土地だと思う。

古き良き時代の所作が読んでいて心地いいし、変に格好がついていない高円寺の日常が新鮮で面白い。

この作品によって「純情商店街」って名前に変わったってすごい。

すらすら読みやすい文章だったので他の作品も読んでみようかな。

 

 

高円寺純情商店街 (新潮文庫)

高円寺純情商店街 (新潮文庫)

 

 

『みかづき』森絵都

これも今年ベスト入りそう。

 

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みかづき森絵都

昭和36年。放課後の用務員室で子供たちに勉強を教えていた大島吾郎は、ある少女の母・千明に見込まれ、学習塾を開くことに。この決断が、何代にもわたる大島家の波瀾万丈の人生の幕開けとなる。二人は結婚し、娘も誕生。戦後のベビーブームや高度経済成長の時流に乗り、急速に塾は成長していくが…。第14回本屋大賞で2位となり、中央公論文芸賞を受賞した心揺さぶる大河小説、ついに文庫化。(Amazonにより)

 

説明にも書いてあるし、ちょうどドラマ化もしてるけど、大河か朝ドラレベルでじっくり映像見たい作品。

600Pと最近読んだ中ではボリュームあったけど、そんなこと気にならないくらい、むしろ途中からもっと読みたくなるくらい、終わり来ないで欲しくなるくらい楽しめた。

名言や名シーンがあるというよりは、作品全体を通して戦後から現代に到るまで、学校社会とは違う現場で日本の教育に真剣に向き合ってきた人たちの世界が丁寧に描かれていて、どっぷり浸かることができる。

そして本当に大切な必要な教育とは何かということを、何度も何度も立ち返りながら反芻しながら考える機会を与えてくれる。少数の支配者と多数の最低限度の能力を持った駒を作る教育という考え方が、今の日本の状況と乖離していない気がして空恐ろしくなる。

激動の中を生き抜いてるけど、登場人物ひとりひとりは心優しく、こども・家族のことを真摯に想い抜いている姿も魅力的。

中高生から大人まで様々な時代の教育の現場の当事者としていろんな人が楽しめる作品だと思う。

ラスト前の一文を読んだ時、風呂場で歓声をあげてしまった。

 

 

みかづき (集英社文庫)

みかづき (集英社文庫)

 

 

 

 

『新章 神様のカルテ』夏川草介

本屋で見つけた時のニヤつきの止まらなさ。

 

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『新章 神様のカルテ夏川草介

320万部のベストセラー、大学病院編始動

信州にある「24時間365日対応」の本庄病院に勤務していた内科医の栗原一止は、より良い医師となるため信濃大学医学部に入局する。消化器内科医として勤務する傍ら、大学院生としての研究も進めなければならない日々も、早二年が過ぎた。矛盾だらけの大学病院という組織にもそれなりに順応しているつもりであったが、29歳の膵癌患者の治療方法をめぐり、局内の実権を掌握している准教授と激しく衝突してしまう。
舞台は、地域医療支援病院から大学病院へ。
シリーズ320万部のベストセラー4年ぶりの最新作にして、10周年を飾る最高傑作! 内科医・栗原一止を待ち受ける新たな試練!(Amazonより)

 

ページの紙質からもはや好き。この冷たさ。

環境・同僚・上司が変わっても軽妙で皮肉が効いてるやりとりは相変わらず。あと新たな『子供』っていう存在が出てきて、命のよりシンプルな尊さが描かれている。

展開的にはお決まりのパターンかもしれないけど、その分全シリーズを通してどんどん増幅される命への直向きな真摯な姿勢がより心に残る。

「勇気とは重圧の中での気高さである」とか「真面目とはね、真剣勝負の意味だよ」とか先人たちの名言の使い方も効果抜群で、やりあいの中のカウンターパンチとして読みながら声出してテンション上がってしまった。

どこにどんな環境で居ても『患者の話』をする主人公と周りの人たちの生活をこれからも一生ずっと読んでいきたい。

ページを進めるたびに、小難しく考えるのではなくシンプルに何が大事なのかを忘れないってことを何度も気づかされる。

 

 

新章 神様のカルテ

新章 神様のカルテ

 

 

 

 

 

『四十九日のレシピ』伊吹有喜

実写超えてきた。

 

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四十九日のレシピ伊吹有喜

熱田家の母・乙美が亡くなった。気力を失った父・良平のもとを訪れたのは、真っ黒に日焼けした金髪の女の子・井本。乙美の教え子だったという彼女は、生前の母に頼まれて、四十九日までのあいだ家事などを請け負うと言う。彼女は、乙美が作っていた、ある「レシピ」の存在を、良平に伝えにきたのだった。家族を包むあたたかな奇跡に、涙があふれる感動の物語。(Amazonより)

 

映画の方を先に観てたんだけど好きな感じで、原作者がもはやマイマスターと化している伊吹さんだと知り。

実車同様 ・以上に家事とか日々の何気ない暮らしぶりが丁寧に描かれていて、作風でもあると思ってるそれぞれ影を抱えた登場人物たちが直向きに日々を過ごしていく様子を楽しんで読める。

あと大宴会後のエピソードなんかは映画になくて(多分)、真相に思わず寒気がした。でもそれがあるから物語にグッと深みが出ている。

ほのぼのした心温まることを期待して読んだらそれに加えて、ストーリーの起承転結というか伏線回収のうまさを楽しめた。

やっぱりこの人好きなのばっかだから読み漁ろう。

 

 

([い]4-2)四十九日のレシピ (ポプラ文庫)

([い]4-2)四十九日のレシピ (ポプラ文庫)

 

  

 

四十九日のレシピ [DVD]

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『高円寺文庫センター物語』のがわ★かずお

ザ・高円寺。

 

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高円寺文庫センター物語』のがわ★かずお

どれほどの夢を紡いできたのか?星屑まで売っているような小さな本屋だった。かつて“日本のインド”と言われた頃の高円寺に花咲いた日本一のサブカル本屋。そこには多くの才能が集い、店を盛り立てた。伝説の本屋奮闘記。(Amazonより)

 

作品全体からいい意味で高円寺臭が常にしてて、やっぱいい街だなあってしみじみする。

破天荒なこの街のイメージそのもののような本屋の歴史を通して街の移り変わりやサブカルの変遷を少しでも感じることができる。と言うか今では「本屋」っていうお店自体が特殊でマイナーなものになってしまったのかも。

数年間この街に住んでたけど知らなかった店や、通ってたけどそんなエピソードがあったんだっていう店がたくさん出てきて、早いうちに高円寺の狭い路地を歩きたくなった。

文章に流麗さやうまさではなく、純粋な本や文化に対する熱量を堪能できる物語。

 

「文字だけで想像力を飛翔させるのが、本の魅力。」まさにこれ。

 

 

高円寺文庫センター物語

高円寺文庫センター物語